高齢者住宅の成立

不動産価格の要因についてこれまで述べてきたが、ここからは「実践的」な不動産に対する考え方や、「データ」をもとに具体的な「テクニック」について解説していきたいと思う。
(1)不動産は「資産」である簡単にいうと、お金と交換できるものが、資産である。
例えば1本のペンがあり、これが1万円だったとする。
1万円札をもっていれば、誰でもこのペンと交換ができる。
つまり価値を知っている人が、それが1万円の価値があると認めれば1万円と交換する。
これが価値決定の原則であり、お互いに価値のあるもの同士を交換できることが資産価値の原則である。
ところが、不動産となるとこの原則を忘れて無闇に資金を投資する人が非常に多い。
例えば、原野商法にひっかかって、見たこともない地方の山林をつかまされたり、突然の電話営業にひっかかって投資用ワンルームマンションを嘘のような高額でつかまされる人などはこの典型的な例である。
いざ、これらを換金しようと思って売りに出したところで、投資した資金は回収できない。
投資用ワンルームマンション主に個人投資家を買い手に想定して売り出されるワンルームマンション。
管理会社が投資家から借り上げて、一定の賃料収入を保証するサブリース契約を結ぶケースが多い。
あくまでも不動産投資は、この「資産の原則」を忘れて投資してはならない。
(2)不動産の所有権は、物権である物権とは、その物を直接的に支配できる権利である。
不動産を所有権で持つことは、この物権にあたる。
ところが、ゴルフの会員権などは物を利用する権利であり、また株等も配当金をもらえる権利であるから、これは債権である。
同様に、同じ不動産の中にも借地権や借家権といった債権がある。
また、この借地権が設定された土地(いわゆる底地権と呼ばれるもの)などは登記簿上では所有権で登記されてはいるが、これなどは、地代をもらえる債権のようなものである。
私は、不動産投資をする場合、できれば物権に対して投資することをお勧めしている。
最近の定期借地権ブームに水を差すようではあるが、この定期借地権の場合、期限の経過とともに権利が減価してしまう、その土地を利用できる債権であるため、いわゆる資産としての概念から考えると、なかなか難しいものがある。
先に述べたキャピタルロスを計算して投資しなければならず、長期的投資には向かない気がする。
また、 「旧借地」の場合は、一度設定してしまうとほぼ永遠に利用でき得る「債権」であるので、地主の承諾や、地代の値上げ等の煩わしさを問題としない、いわゆる「プロ」の人には、かなり旨みもあるのでお勧めもするが、一般的な個人の人の「投資」という面では、やはり、これもお勧めはできない。
以上のように「債権」と「物権」との認識を明確に持っていただくことによって、不動産の本質は見えてくる。
「借地権」 「地上権」は「債権」であり、 「所有権」は「物権」である。
やはり個人で不動産投資を行う時は、 「所有権」で持つことをお勧めする。
(3)不動産は「キャピタルゲイン」でなく「インカムゲイン」であるバブル期には、次のようなことがよく見られた。
最初に、まず、 1億円で土地を買った。
そして、その土地が1億2000万円で売れた。
2000万円も儲かったから、今度は2億円のものを買った。
そしたら2週間後にそれが2億5000万円にもなった。
何が原因でそうなったか、誰もが分からない状態だった。
銀行員も含めて、皆がわけが分からない時代であった。
不動産を買って、何も経済活動を起こさないまま儲かるというのはおかしい、ということを誰もが疑わないまま、やがて、「バブル」は崩壊していったわけである。
逆に、現在では、 1億円で買った土地が、 5000万円になってしまい、 5000万円の「キャピタルロス」を抱えて、不動産ではひどい目にあった、などといって騒ぐ人もいるが、このような人に「不動産投資」で成功はない。
私自身、または私のクライアントは、先に述べたとおり、不動産を買ったら人に貸して家賃をコツコツいただいている。
もちろん、私自身も「自宅」については「キャピタルゲイン」を有効に使って3回ほど買い替えてはきた。
しかし、投資物件については、基本的に3000万円で買ったものが5000万円になったら、これを売るのではなく、新たな投資物件を買うことを検討してきた。
この場合、新規で購入するものを含めて金融機関に共同担保で提供すれば自己資金なしで不動産は買えるのである。
大切なことは、不動産を買うときの「動機」を間違えないことである。
不動産を買ったときに売ったときの利益を見込むから不動産投資に失敗するのであって、運用益(インカムゲイン)を期待して「収益還元価格」で買っていれば、仮に購入した不動産の価格が下がったとしても、運用益が常に黒字となっていれば、別に問題はない。
賃料が下がったときの対処と、金利上昇時の対処を前もって考えていれば、危険性はない。
また相続税対策にいいからとか、所得税が高いから、とかいう理由の節税目的で不動産を購入する人もいるが、基本的に節税になるということは「損」が発生するから節税になるのであって、利益追求を目的として不動産投資をする場合は、節税になるということは、まず、あり得ない話である。
私も実務的に、相続対策などのコンサルティングを行っているが、単純に不動産を買って借金をするなどというものではなく、もっとテクニカルな方法で、かつ、毎年の赦密なメンテナンスをもって行ってはじめてうまくいくものである。
ここでは詳細には触れないが「不動産投資」をする以上、利益が生じないようでは意味がない。
当然、利益が出れば、税金だって持って行かれることになる。
「節税」等を目的として失敗するより、不動産投資によって「不動産所得」を上げ、もっと「税金」を納めてやるっ!くらいの気持ちで投資したほうが、張り合いもあるし失敗もしないものである。
(1)住宅地価の推移名目GDP、及び名目賃金指数と、住宅地価の比較推移のグラフである。
地価公示と名目GDP及び名目賃金の推移 1.地痛公示はS58年を100とし指数化したもの 2.名目賃金、名目GDPはS57年を100とし指数化したもの 名目GDPは、昭和57年を100とした場合、平成10年には約183となっている。
また名目賃金指数はというと、100のものが140である。
では地価についてはどうかというと、公示価格ベースで昭和58年の東京圏を100とすると、平成7年には名目GDPより低い154である。
ところが、 「バブル」のピークである平成2年(公示価格ベースでは平成3年)時には名目GDP約157、名目賃金指数約129に対し、東京圏250、東京都区部に至っては、約287である。
つまり、この指標を見るだけでも、住宅地価は需要者(消費者)の所得レベルやGDPと比較して、いかに不当な承離を見せていたかが分かる。
ところで、私は評論家ではない。
ここで過去のデータを基に、あれこれもっともらしい批評をするつもりはない。
ここで注目していただきたいのは、住宅地価は既に名目GDPの水準まで下がり、東京都区部では更にこれを下回る勢いで下落した、ということである。
実務的な解説をすると、昭和58年、私の営業活動をしている某駅付近の住宅地では、当時の更地価格で坪50万円程度であった。
さて、これに名目GDPの伸びである183%を掛けたとすると91.5万円になるが、地価が下がったと言われ続けるなか、今でもこの住宅地は91.5万円では買うことはできないし、今後も91.5万円以下には下がらない。

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